2014年3月7日金曜日

ドラマ人間模様「シャツの店」

今やってたプレミアムアーカイブスのドラマ人間模様「シャツの店」山田太一脚本が実によかったです。

殊にシャツ職人の周吉が、長年連れ添い仕事を手伝わせてきたおかみさんの作ったシャツについて、おかみさんの居ないところで感想を言う場面、そのセリフがすばらしく。
いまいちしっかり思い出せませんが「あいつのシャツは実に一生懸命喋ってくる。例えばボタンの位置、俺のつけるボタンより少し高い位置だ。そうかと思えば俺のやり方を真似しているところは実に忠実に真似をしている」など。つまり、職人同士の対話がシャツを通してなされているわけです。あなたのここはわたしは納得がいかない、わたしの答えはこうである。あなたのここはとても良い。といったように。それは、とても豊かで雄弁な対話です。

口下手でいわゆる昔のお父さんである周吉は心に思う愛情や感謝の気持ちをおかみさんに伝えきれておらず、それが二十数年積もりに積もっておかみさんが出てっちゃうことになる訳ですけれども。
その伝えきれなかった、周吉が使いこなせなかった言語の反対側にあるもうひとつの言葉、非言語でシャツを通した対話がなされます。くー、山田太一、にくいです><

ドラマなのにすごい脚本だなー、と思いました。
俳優も良く、鶴田浩二の遺作でもあります。
今のドラマにあるような過剰さがなくて、そうしなくても良い時代だったんですね、素直でいいなあと思いました。面白かったです。

https://pid.nhk.or.jp/pid04/ProgramIntro/Show.do?pkey=700-20131212-10-34367

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