2014年5月27日火曜日

もひとつ短歌。

きのう見つけた短歌の歌集、さっそく届きました。

ずうっと読んでると、胸のあいだ、みぞおちがじんじんします。ささやかな断片のとても多くが押し寄せる感じ。また、うっすらと感じられる世界の遠くとその距離は岡田利規の「わたしたちに許された特別な時間の終わり」を思い出しました。
10年くらい前からの短歌なのだけど、ちょっと架空の都市東京の生活をみるよう。近いような遠いような不思議な気持ちになります。

***

日本の中でたのしく暮らす 道ばたでぐちゃぐちゃの雪に手をさし入れる

テレビみながらメールするメールするぼくをつつんでいる品川区

パチンコ屋の上にある月 とおくとおく とおくとおくとおくとおく海鳴り

まぶしいから電気が見たいチカチカが激しい中で何か言いたい

カップルが映画の前売券をえらぶガラスケースを抜けゆく西陽

ある駅の あるブックオフ あの前を しゃべりながら誰かと歩きたい

あの青い電車にもしもぶつかればはね飛ばされたりするんだろうな

五円玉 夜中のゲームセンターで春はとっても遠いとおもう

夕焼けがさっき終わって濃い青に染まるドラッグストアや神社

やさしい人やかわいい人と生きていく 家に着いたらニュースが見たい

ぼくの人生はおもしろい 18時半から1時間のお花見  
 


高いところ・広いところで歩いてる僕の体は後者を選ぶ

建物がある方ない方 動いてる僕の頭が前者を選ぶ

整然と建物のある広いところ 僕全体がそっちを選ぶ


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